「映画『ビリーバーズ』ってエロいだけ? それともちゃんとおもしろいの?」
「カルト宗教ものって重そうで手を出しづらい…」
そんな人に向けて、無人島カルトを描いた邦画『ビリーバーズ』を実際に観た感想をまとめました。
先に結論を言うと、
- カルト団体に“どっぷり浸かる人間”の弱さと欲望がエグいほどリアル
- ホラーではないけど、信じることの怖さがじわじわ残る
- エロ要素はあるけど、エロだけで押し切らない“イヤ〜なヒューマンドラマ”
という理由で、「人間の生臭さ」を味わいたい大人向けの1本だと感じました。
この記事では、
- 『ビリーバーズ』がどんな映画なのか(ネタバレなし)
- 良かったところ・気になったところ
- どんな人におすすめか
- どこで配信されているか(視聴方法)
を、カルト映画も邦画も好きな一視聴者目線で正直レビューしていきます。
『ビリーバーズ』はどんな映画?【ネタバレなし】
まずは、ざっくり作品情報から。
- 作品名:ビリーバーズ
- ジャンル:ヒューマンドラマ/サスペンス/カルト
- 製作年:2022年
- 上映時間:118分
- 監督・脚本:城定秀夫(『アルプススタンドのはしの方』など)
- 原作:山本直樹『ビリーバーズ』(漫画)
- 主演:磯村勇斗、北村優衣、宇野祥平 ほか
- レーティング:R15+(性描写あり)
とある無人島で共同生活を送る3人の男女。
彼らは「ニコニコ人生センター」という宗教的団体に所属し、
- 毎日の瞑想
- 見た夢の報告
- テレパシーの実験
- メールで届く“指令”の遂行
といった“修行”をこなしながら、最低限の支給物資でギリギリの生活を続けています。
それは「俗世の汚れを浄化し、安住の地に行くための選ばれた修行」のはずだったのに、
小さな綻びから、3人の関係と信仰心が少しずつ壊れていきます……。
一言でいうと、
“信じること”にすがった人間が、欲望と疑念に負けていく様を見せつける、エロくて苦いカルト群像劇。
良かったところ・見どころ3つ(ネタバレなし)
① 無人島×3人だけ、という“密室感”がとにかく不穏
舞台はほぼずっと無人島。
登場人物も、基本はオペレーター/副議長/議長の3人だけです。
※宗教団体の規則で実名を明かさずに役職で呼び合ってます。
- 逃げ場のないロケーション
- 生活感のあるテントや簡易トイレ
- 汚れたTシャツや汗ばんだ肌
こういう“生臭いビジュアル”の積み重ねが、ホラーではないけれど
**「ここに閉じ込められたら終わりだな…」**という圧をじわじわ感じさせます。
派手な爆発やCGは一切ないのに、
ローコストな設定を最大限に活かした不穏さが光っていました。
② “信者側の目線”で進むから、単純な勧善懲悪にならない
多くのカルト作品って、
被害者目線 or 外から暴くジャーナリスト目線
で描かれることが多いんですが、
『ビリーバーズ』はどっぷり信じている側の目線で話が進みます。
- 「なんでこんなの信じちゃうの?」ではなく
- 「自分も弱っていたら、こういう“居場所”にすがるかも…」
と、観ていて妙なリアルさがあるんですよね。
特に、
- 組織の指令に従うこと
- “安住の地”という曖昧なゴール
- 仲間だけが唯一の人間関係
に依存していく様子が、
現代のブラック企業やマルチ商法にもつながるようで、
単なるフィクションで片付けにくいイヤ〜な説得力がありました。
③ 性描写が“ただのサービスシーン”で終わらない
この映画、事前情報で
「エロい」「日本版ミッドサマー」「官能的」
みたいなワードが一人歩きしていた印象がありますが、
実際観てみるとエロ=支配と依存のツールとして機能していて、かなり攻めてます。
- キャラクターの関係性が変わる瞬間
- 力関係の逆転
- 欲望と罪悪感がごちゃ混ぜになった表情
など、性描写のシーンがそのまま心理戦のクライマックスになっている感じ。
R15+なので、ラブロマンス目的で気軽に観るとビックリしますが、
ヒューマンドラマとしてはこの“生々しさ”が大きな魅力だと思いました。
ちょっと気になったところ・注意ポイント
かなり刺さる人には刺さる作品ですが、人によっては合わなそうだなと感じた部分もあります。
- ペースがゆっくりで、展開も地味
→ エンタメ寄りのスリラーを期待すると「何も起きない」と感じるかも - グロ描写は少ないけど、精神的にじわじわくる不快感が強め
→後半一部だけグロシーンがあります。 - 説明が少なく、「結局どういうオチ?」とモヤっとする人もいそう
→言葉変えると「考える余地を与えてくれる」
「スカッとするカルト脱出劇」ではないので、
- スッキリした決着を求める人
- 分かりやすい悪役を叩きたい人
には少し物足りない可能性があります。
『ビリーバーズ』はこんな人におすすめ/おすすめしない
おすすめしたい人
- カルト宗教や新興団体をテーマにした作品が好きな人
- ホラーよりも、人間そのものが怖い映画を観たい気分のとき
- 性と暴力と信仰が絡み合う“カルト映画”に興味がある人
- 磯村勇斗・北村優衣・宇野祥平など、邦画俳優の演技をじっくり味わいたい人
あまりおすすめしないかも…な人
- スカッとするアクションや、分かりやすいホラーを求めている人
- 性描写や、精神的に不快になる描写が苦手な人
- ストーリーをキレイに回収してくれる作品が好きな人
評価まとめ(★5段階)
個人的な評価を5段階でまとめると、こんな感じです。
- 人間の怖さ :★★★★★
- ストーリー :★★★★☆
- 不穏な空気感 :★★★★★
- スッキリ度 :★☆☆☆☆
- もう一度観たい度 :★★★☆☆
総合評価:★★★★☆(4.0/5)
エンタメというより、
「信じること」「共同体」「依存」というテーマで、
しばらく頭がざわざわするタイプのカルト映画
としてかなり印象に残りました。
『ビリーバーズ』を観られる配信サービス【視聴方法】
執筆時点(2025年12月)では、『ビリーバーズ』は以下の配信サービスで配信されています。
- U-NEXT:見放題配信中(31日間無料トライアルあり)
- Amazonプライム・ビデオ:見放題配信中(30日間無料体験あり)
- Hulu:配信あり(プランによって見放題/レンタル)
- DMM TV:レンタル配信
※配信状況は変わる可能性があるので、視聴前に公式ページで最新情報を確認してください。
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『ビリーバーズ』が刺さった人におすすめの作品
- 『ミッドサマー』:閉ざされた共同体の狂気を描いた北欧ホラー
- 『冷たい熱帯魚』:日常にじわじわと入り込む狂気の邦画サスペンス
- 『愛のむきだし』:宗教・家族・性がごちゃ混ぜになる園子温ワールド
(ここに自サイトのレビュー記事への内部リンクを貼る)
まとめ
『ビリーバーズ』は、
- 無人島カルトというミニマルな設定で、
- 信じること・依存することの気持ち悪さを、
- 性と暴力と沈黙でじわじわ描き切った邦画カルト作品
でした。
ホラーのようでホラーではなく、
救いがあるようで、ギリギリ救いきれない…その後味の悪さがクセになる1本です。
じわっと気分が沈む映画を観て、
「うわ…人間ってこわ…」ってなりたい夜にぜひ。

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