結論:美と若さを“商品”として消費する世界への痛烈な風刺を、ボディホラー×ブラックユーモアで最後まで押し切る“劇薬”映画。デミ・ムーアの怪演と、物理的にくる特殊メイクの迫力が最大の見どころです。
(※R15+なので刺激強めです)
どうもホラー大好きやなきちです。
この記事は『サブスタンス』を観るか迷っていて、「どんな映画?」「グロい?」「ラストって結局どうなるの?」と検索してきた人向けにまとめました。
このページは 前半はネタバレなしで魅力と注意点、後半は 結末(ラスト)まで完全ネタバレで解説&考察します。刺激が強めの描写もあるので、耐性チェックにも使ってください。
この記事でわかること
- ネタバレなしの感想(面白さ/刺さるポイント)
- どのくらい刺激が強いか(苦手な人向け注意点)
- ラストまでの流れ(ネタバレ解説)
- 結末の意味・テーマの考察(FAQ付き)
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作品情報(基本データ)
- 邦題:サブスタンス
- 原題:The Substance
- 日本公開:2025年5月16日
- 上映時間:142分
- レイティング:R15+
- 監督・脚本:コラリー・ファルジャ(『REVENGE リベンジ』)
- 出演:デミ・ムーア/マーガレット・クアリー/デニス・クエイド
- 受賞・注目:第77回カンヌ国際映画祭 脚本賞
- アカデミー賞:第97回でメイクアップ&ヘアスタイリング賞受賞

あらすじ(ネタバレなし)
年齢を理由に仕事を失い、スポットライトから遠ざかっていく元スターのエリザベス。
“より良い自分になれる”と囁かれる違法な再生医療(=サブスタンス)に手を出した彼女の前に現れたのは、若さと美しさを凝縮したような“上位互換”の存在。
理想の自分を手に入れたはずなのに、そこには絶対に破ってはいけないルールがある。
欲望、嫉妬、自己否定、そして「他人の視線」によって、状況はじわじわと壊れていく——。
見どころ3つ(レビュー)
1) “若さの崇拝”をえぐる風刺が鋭い
ただのショッキングホラーではなく、ルッキズム/エイジズムを真正面から刺してきます。笑えるくらい露骨なのに、笑いきれない。そこが強烈。
2) デミ・ムーアの「振り切り」がすごい
物語の核は「外見」よりも、むしろ自分自身への評価。その揺れを、デミ・ムーアが怖いほど体現します(賞レースで注目されたのも納得)。
3) 物理的に“来る”特殊メイクの説得力
この映画の気持ち悪さ(褒め言葉)は、観念じゃなくて手触りで殴ってくるタイプ。アカデミー賞のメイクアップ&ヘア受賞は伊達じゃないです。
こんな人におすすめ
- ボディホラー/グロ耐性がそこそこある
- 『TITANE/チタン』『RAW』『ブラック・スワン』系の“美と狂気”が刺さる
- 社会風刺×エンタメの尖った映画が好き

ボディホラーとは人間の体の変形や不自然な変化、そして制御不能になることに焦点を当てたホラーになります。
逆におすすめしにくい人
- 血や肉体変化の描写が苦手(**R15+**の範囲でしっかり来ます)
- じんわり怖いより、爽快なホラーが好き
観た後に刺さるポイント(ネタバレなし考察)
『サブスタンス』の怖さは、“怪物”よりも観客自身の価値観を映す鏡みたいなところ。
「理想の自分」を追いかける行為が、いつの間にか**“本来の自分”の否定**になっていく。そのプロセスが、かなり容赦なく描かれます。
どこで観られる?(配信)
配信状況は変わりますが、少なくともPrime Videoで作品ページが確認できます。
また、JustWatchでは日本での視聴先として Prime Video / U-NEXT / Apple TV などが掲載されています。
※ここから先は『サブスタンス』の結末まで完全ネタバレです
未鑑賞の方はブラウザバック推奨。
ネタバレあり:ラストまでのあらすじ
① “サブスタンス”の仕組みとルール
エリザベスが違法の再生医療「サブスタンス」を使うと、彼女の身体から若く美しい“上位互換”スーが誕生します。2人は同じ精神(意識)を共有する存在で、維持するために1週間ごとに身体を入れ替える必要があります。ところがスーがこの“タイムシェア”のルールを破り始め、均衡が崩れていきます。
② スーの“延長”が、エリザベスを急速に老化させる
スーが交換を遅らせるほど、エリザベス側に老化のしわ寄せがきます(指がしわだらけになって変色するなど)。さらにスーは安定液(維持に必要な液)を過剰に抽出し、長期間交換しない状態へ。結果、エリザベスはどんどん衰弱していきます。
③ 大晦日前、交換を余儀なくされ“終わらせたい”エリザベス
3か月後、枯れ果てたエリザベスから安定液が取れなくなり、追い詰められたスーは久々に交換。するとエリザベスは髪が抜け、腰の曲がった老婆の姿になっていました。ショックを受けたエリザベスは業者に連絡し、サブスタンス中止キットを受け取ります。
④ “殺すはずが、殺せない”——ここで致命的なグリッチが起きる
中止キットには、スーを終わらせるための血清が含まれており、エリザベスはスーの心臓に注射して一度は止めます。
しかし直後に翻意し、交換用のチューブでつないでスーを目覚めさせてしまう。この“ためらい”が原因で、**2つの身体が同時に目覚める“グリッチ”**が発生します。
⑤ スーがエリザベスを殺害
自分を消そうとした事実を知ったスーは激怒し、エリザベスに暴行。結果としてエリザベスは殺されます。
⑥ 主役の座に戻るスー、しかし身体が崩壊していく
エリザベスの死後もスーは大晦日の本番へ向かいますが、 backstage で歯が抜け落ち、耳がもげるなど身体が急速に崩れていきます。そこでスーは起死回生として、誕生時に使った**“元の活性化血清”**を自分に打つのですが——これが最悪の引き金になります。
⑦ 怪物“融合体(エリザベス+スー)”へ変異し、スタジオは地獄絵図
活性化血清は回復ではなく変異を引き起こし、スーはエリザベスの顔を含む複数の肉体要素が混ざった巨大な融合体になります。
それでもスーはステージへ出て「自分はスーでありエリザベスだ」と訴えますが、観客は拒絶。混乱の中で頭部が爆ぜ、スタジオ中に大量の血が噴き出す惨事になります(ハーヴェイにも浴びる)。
⑧ 最後:ウォーク・オブ・フェームの“星”の上で溶け、翌日には消える
融合体はスタジオを出た後も崩壊が止まらず、最終的に肉塊へ。残った**“エリザベスの顔”がハリウッド・ウォーク・オブ・フェームの自分の星へ這い寄り、その上で溶けていく**。そして翌日、床洗浄機(清掃)であっさり洗い流される——これがラストです。
ネタバレ考察:この結末が示すもの
- “若さ=価値”のシステムに飲まれた結果、個人が物理的に消費され尽くす
エリザベス/スーが「見られること」で存在を保とうとするほど、自己と身体が崩壊していく構造。 - 観客(=消費する側)への“返血”
スタジオで血が観客に降りかかる演出は、監督自身が「あなたたちが私たちにしていることを突き返す」意図として語られています。 - “星(名声)”の上で溶け、翌日には清掃される=使い捨ての残酷さ
一度価値を失ったスターは、存在の痕跡すら簡単に消される。ラストの清掃が、それを象徴します。
ここまで読んだら、あとは“体験”するだけ。
『サブスタンス』の不快感(褒め言葉)は、文章より映像の破壊力が本体です。今の配信状況を確認して、観られる環境で一気にどうぞ。


